マチコの独り言(´-`).。oO

会社員しています。将来はサブカル系のライター、作家を目指しています。

ホーロー看板の魅力

たぶん小学生ぐらいの頃から気になっていたかもしれない。 私はレトロな雰囲気のただようものをいつのまにか好むようになっていて、日常生活においてもレトロなものを探して愛でるようになっていった。

特に昔から好んでいたものの一つは、「ホーロー看板」である。 有名なのは、大村崑さんの「オロナミンC」の看板や由美かおるさんの「かとり線香 アース渦巻」などか。

好きになったというよりかは、小さい頃から民家を通る際に目にする機会があり、「この看板っていつからあるのだらう?」と気になるようになり、知らぬ間に魅力に取り憑かれていったというのが近いか。

私は幼少期を田舎で過ごしていたが、田舎の街にある民家には1960〜70年代頃に貼られていたであろうホーロー看板が残っていたり、某消費者金融や某探偵業者などの、子供からしたら怪しそうな業者の看板も貼られていた。

子供ながらにこれらのホーロー看板が気になっていて、 周りの大人たちにこの看板は一体なんなのか詳しく教えてくれと聞いていたが、 同世代はゲームやアニメに夢中になっている人が多かった中で、なぜホーロー看板のことを知りたいのか大人たちは私に疑問に思っていたらしく、大人たちからはちょっと変わっていると思われるような子供だった。

社会人になって田舎を離れると、 ホーロー看板を見かける機会が激減し何となく寂しく感じていた。 たまたま東京に行く機会があって、 以前から行きたいと思っていた、まんだらけ中野ブロードウェイ店の「変や」コーナーを訪れた際、あたり一面に貼られたホーロー看板を見て、久々に心踊った。

童心に戻ったような感覚すら覚え、やっぱり私はホーロー看板が好きなのだと再確認した。 好きなら好きで看板を買ってコレクションでもすればいいと思うも、私の家にはコレクション部屋を用意できるほどのスペースはなく、仮に看板を買って収集したとしても、今度は私の寝食するスペースがなくなる。

寝食スペースと看板のどっちを取るかと言われれば寝食をとると即答してしまうレベルのホーロー看板愛ではあるが、旅行中に街角どで見かけた際には急にテンションが上がって他人の目を気にすることなく写真を撮りまくってしまう。 私のホーロー看板愛は、 自分の部屋に実物の看板を所狭しとたくさん置いて愛でるというよりも、 街歩きをしている中で、たまたまホーロー看板を見つけてぼーっと眺めた後に、看板を撮影して看板写真のコレクションを集めていくことに喜びを感じるほうが当てはまる気がする。

私はホーロー看板の全盛期の頃には生まれていないし、当時の生活を実際に過ごしていないのだけれど、どうしてここまで魅せられるようになってしまったか。 現時点で考えられる理由として、3つほどまとめてみた。

1.シンプルなデザインだが訴求力が強い

ホーロー看板は基本的に現代の広告と比べてシンプルなデザインだが、シンプルだからこそどういった商品かすぐにイメージが湧く。

「塩」「たばこ」といった文字だけのホーロー看板もあるが、一瞬で何の広告かわかり広告自体に妙に存在感すら感じる。 「塩」の看板なら背景は藍色で、看板の真ん中に大きく白字で「塩」と書かれている。 遠くから見てもすぐに塩を売っているお店だということがわかる。

また、何の広告かイマイチよくわからなくても、一瞬見ただけで広告のシンプルなデザインが妙に印象に残っていて頭に刷り込まれる。

現代の広告を見ていると、細かい字がたくさん書かれていたり、おしゃれなコピーやデザイン画があったり、旬な芸能人が大々的に広告に出ていたり、たくさん計算づくされたおしゃれな広告という印象を受けるが、私にはこんな広告を作る能力はないし偉そうなことを言うのはおこがましいが、 広告を見る側の立場だと、細工があまり多すぎると頭の中で瞬時に情報を処理しきれないこともある。

ホーロー看板の広告は無駄な部分を削ぎ落とされたシンプルなデザインが多く、見ているだけで気持ちよく感じる。

2.当時の時代背景や生活史を感じられる

当時の人気の芸能人が看板になっていると、当時の時代背景や歴史を感じる。

看板を見ているだけでも昔の生活を過ごしているような感覚に浸れる。 実際にその時代のその生活を過ごしたことはないし、 すべて想像のもとで当時の生活を思い浮かべているだけだけど、今の時代と比べてみると興味深い。

もともと私は好奇心旺盛なタイプであり、 いま生きている自分の時代とは違う生活様式に興味を持つことが多く、他人に不審がられない程度で道端のホーロー看板をくまなく観察して想像に浸ったものだ。

この時間が私はわりと好きで、学校で嫌なことがあった時など現実逃避したい時は、通学路の途中にあったホーロー看板の前で立って現実逃避していた。

3.懐かしさを感じる

先ほども述べたように通学路の途中にホーロー看板を見かけることが多かったが、

いま振り返ってみるとホーロー看板というのは私の幼少期の思い出の一つになっていることに気づく。

社会人になるとホーロー看板を見かけることがなくなり、いつのまにか見かけない状態に慣れてしまっていたが、 旅行中に通った場所やまんだらけさんなどでホーロー看板を目にするとテンションが爆上がりするとともに、 小学生の頃の想像力豊かだった自分を思い出して懐かしくなる。

もっとホーロー看板を身近ににするためにも、 普段から使う文房具などにホーロー看板のデザインを当てられたらいいなと思うし、 ガチャガチャのグッズでキーホルダー、巾着袋などといったグッズでもあればいいなと思ったりする。

それに様々な人にホーロー看板に興味をもってもらえたらいいなと思うし、個人的にはもっと看板好きの仲間がほしい。 ホーロー看板の魅力を伝えられるようにもっと勉強して、自分でも何かグッズを作ってみたり、収集だけでなく周りに発信できる機会があればいいなと思っている。